岡崎の歴史を刻む「旧額田郡公会堂及物産陳列所」完全ガイド

三河・知多エリア(岡崎・豊橋・常滑など)

先日看守人室の改修工事終了のタイミングで開催された、岡崎『「旧額田郡物産陳列所看守人室」見学会』に参加、建物内部に入らせていただくチャンスに巡り合いました。

大正期に建てられた「旧額田郡公会堂及物産陳列所」の2棟は、現在、国の重要文化財に指定されています。大正ロマンの洋風建築が日本に花開いた時代の空気を今に伝える、極めて貴重な現存例です。当時の職人たちの技が結集した細部は息をのむほどの美しさをです。

建物内部は現在はほぼ撤去されていますが、公会堂の舞台上のレリーフ、陳列所の壁に残された記憶の断片など、歴史的にも大変に興味深いものでした。

今なお、大正という時代の息吹を静かに伝えるこの場所。岡崎の歴史を辿る旅の、出発点としてぜひ訪れてみてください。

*現在は老朽化のため見学は外観見のみのため、建物内部の見学は貴重な経験。残る2棟は改修時期が未定のためしばらくは内部公開予定はないの職員さんから説明がありました。

旧額田郡公会堂及物産陳列所の建築データ

【施設情報】旧額田郡公会堂及物産陳列所

所在地:
愛知県岡崎市朝日町3丁目36-1

アクセス:
名鉄「東岡崎駅」徒歩15分
名鉄バス「徳王神社前」徒歩5分

▶ Googleマップで場所を確認

竣工:
1913年(大正2年)

設計:
吉田栄蔵

見学:
外観のみ

備考:
重要文化財(1999年指定)

旧額田郡公会堂は,当初額田郡の公会堂として大正2年に建設された。旧額田郡物産陳列所は同年に旧公会堂と対面した位置に建てられ,昭和36年に現地に移された。現在,公会堂は岡崎市郷土館,物産陳列所は同収蔵庫棟として利用されている。
 旧公会堂は吉田栄蔵の設計で,会堂棟,通用玄関棟,便所棟からなり,中央に櫛形ペジメントを設けたルネサンス様式的建築構成になる。旧物産陳列所は,妻面にハンマービームを用いたスティックスタイルを基調とした建築で,旧公会堂と対照的な意匠とする。
 旧額田郡公会堂及び物産陳列所は,我が国における最初期の郡立の公会堂・物産陳列所建築であり,両者が一組で現存する数少ない例として貴重である。
 また,地方都市における公共建築の近代化を示すとともに,地方における西洋建築の様式的・技術的修得過程の達成度を示す建築遺構としても意義が認められる。

文化庁・文化遺産オンライン参照

2. この建築群の全容

こちらから3つの建物の詳細に飛べます。

【旧額田郡公会堂及物産陳列所】を深掘りする

それぞれの建築物に特化した詳細レポートはこちらから。

1. 公会堂
重厚な意匠と歴史の息吹
▶ 詳細を見る
2. 物産陳列所
大正の産業を支えた場所
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3. 看守室
小さな空間に宿る物語
▶ 詳細を見る

旧額田公会堂陳列所とは?

大正2年(1913年)に建設された愛知県内でも最古級の木造公共建築物であり、西洋建築が日本で普及し始めた大正時期の極めて貴重な現存建築でもあります。

全国的に見ても珍しい「公会堂」と「物産陳列所」の両方が1組で現存している希少な例として、1999年に国の重要文化財にも指定されました。

以前「公会堂」は旧岡崎市郷土館として、「物産陳列所」は同収蔵庫棟として活用されていましたが、現在は老朽化のため閉鎖されています。

「公会堂」と「物産陳列所」が並ぶことの意味

額田公会堂の創建当時の配置模型
額田公会堂の創建当時の模型

こちらの模型が創建当時の「公会堂」「物産陳列所」、そして「看守室」の位置関係です。再開発のため曳家で配置が崩れていましたが、創建当時は3つの建物が寄り添っていました。

「公会堂」は舞台を備えた講堂として、地域住民の集いの場に。「物産陳列所」は工芸品や特産品の展示・販売を担う、産業振興の拠点に。

それぞれの役割を持つ施設を同じ敷地に集約したことには、「文化の交流」と「地域の活性化」を一体化させるという、当時の強い先見性が込められていました。

今でいう『複合施設』の先駆けともいえるこの配置。当時の人々にとって、ここがどれほど活気に満ちた場所であったか、往時の賑わいが目に浮かぶようです。

アクセス情報

アクセス&駐車場

アクセスは名鉄名古屋本線「東岡崎駅」から徒歩で約15分ほど、または「東岡崎駅」より名鉄バス(中央総合公園行き等)に乗車、「徳王神社前」バス停下車で徒歩約5分

隣接する「せきれいホール」の駐車場が利用可能で車でのアクセスも便利です。

現在は外観見学のみ可能

老朽化のため現在は外観のみ見学が可能となっています。

安全のため建物前に立入禁止の仕切りが置かれており、奥に位置する「物産陳列所」が見にくいのが残念ですね。
建物裏側(大通り側)に回ると「物品陳列所」の裏側が見えます。

レトロ好きへおすすめ

せっかく岡崎まで足を運んだなら、食事もおいしくエキゾチックな純喫茶「シャングリア」、旧岡崎藩主本多家末裔の旧邸「旧本多忠次邸」、1782年(天明2年)創業の和菓子所「備前屋」にも寄り道してはいかがでしょう。

より深く知りたい方へ

「旧額田郡物産陳列所看守人室」をより深く知りたいと思っていただいた方、各記事に飛んでいただければたくさんの画像でご紹介していますのでぜひ飛んでくださいね!

まとめ

大正時代から4つの時代越えて地域を見守ってきた3つの建物、当時の新しい時代への希望と地元を盛り上げたいという熱気が伝ってくるような場所でした。

現在は外観のみの見学ですが、職人たちが魂を込めて作り上げた美しいレリーフやエレガントな飾手摺、クローバーの形の窓などぜひその目で確かめてみてくださいね。

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