生きた建築ミュージアム大阪「イケフェス2023」に参加してきました!
通常は見学不可の建物や、普段は開放されていないエリアも見学できるレトロ建築好きには実に嬉しいイベントですね。
まずは国登録有形文化財に指定されている「芝川ビル」のレポートからご紹介します。
建物概要&MAP
| 名称 | 芝川ビルディング (しばかわびるでぃんぐ) |
| 竣工 | 1927年(昭和2年) |
| 設計 | 渋谷五郎(基本構造)・本間乙彦(意匠) |
| 見学 | 商業施設(店舗により異なる) |
| その他 | 登録有形文化財(2006年10月指定) 生きた建築ミュージアム大阪 |
御堂筋から東に入ったブロックの北西隅に建つ。鉄筋コンクリート造4階建地階付で,腰を竜山石,上部はスクラッチタイル貼とし,3階軒部にスパニッシュ瓦を葺く。設計は渋谷五郎と本間乙彦。古代マヤ・インカの細部装飾を採入れたアールデコ建築。
アクセスは?

アクセスは、大阪メトロ御堂筋線「淀屋橋駅」11番出口より徒歩1分ほど。賑やかなオフィス街の中に位置しています。
3階軒部にあしらわれたスパニッシュ瓦や、全体的に丸みを帯びた意匠デザインがビルの重厚感と圧迫感を和らげてくれますね。
芝川ビルとは?
1927年(昭和2年)、唐物商(貿易商)を営んでいた家に生まれた芝川又四郎氏によって建てられました。
当初は自家用ビル(家族の居住等)として建築され、現在も芝川一族が所有する一族単独所有の歴史的ビルです。
およそ1世紀もの時を超えて現在も大切に健在しているのは、建築主とオーナー一族の深い愛着が注がれてきたからこそでしょう。
現在は飲食店やセレクトショップなどが入居する人気の商業ビルとなっています。
芝川ビル公式サイトのブログでも、建物の歴史や魅力が詳しく紹介されていますよ。
およそ100年の歴史を誇るレトロ建築

竣工当時、この場所に誕生した芝川ビルはさぞやモダンで目立つ存在だったことでしょう。
大阪府立中之島図書館が明治37年(1904年)竣工。その時代の淀屋橋エリアの街並みを想像するとワクワクしますね。

外壁の上部はスクラッチタイル、腰壁部分には竜山石(たつやまいし)が使用されています。

古代マヤ・インカの細部装飾をモチーフに採り入れた独創的なアールデコ建築。
入口の階段は美しいR(曲面)を描いており、奥行き感を強調してドラマチックに見せてくれます。


可能な限り創建当時の古い素材を残して使用されており、その雰囲気に痺れます。
エントランス

扉を開けると立派なエントランスが広がり、床のタイルの色合いも非常に渋く味わい深いです。


壁面の浮き彫り細工もマヤ・インカデザインを思わせるエキゾチックな造形です。
起工:大正十五年六月十二日
竣工:昭和二年五月三十一日
設計:渋谷五郎
請負:合名會社 竹中工務店
監督:芝川店

エントランスからビル内に続く扉周りの壁面装飾もとっても個性的。


ビル内からエントランス方向を振り返ったところ。

お手洗いの壁には可愛らしい豆タイルが敷き詰められ、周囲はスクラッチタイルで仕上げられています。
廊下、階段、当時の備品


階段の手すり柱には親柱に緻密な木彫り装飾が施されています。

こちらもマヤ・インカ文様のモチーフに通ずる幾何学的な彫刻ですね。

味わいあるスクラッチタイルと重厚な木製扉。


古い電話端子箱。設置当時はこれほど複雑な配線が増えるとは予想していなかったでしょうね。


こちらは壁に設置された「伝声管(でんせいかん)」。糸電話と同じ原理で音声を伝える設備ですが、当時の具体的な用途は不明とのことです。
これを見てジブリ映画『天空の城ラピュタ』のタイガーモス号見張り台にあった伝声管を連想した方は、私と同じジブリファンですね!

金庫

分厚く重厚な金庫の扉も必見。現在はなんと店舗の入口ドアとして活用されています。

こちらは壁面に埋め込まれた小型金庫。

ゴールドのエンブレムには「東京 大谷」の文字。京都に店舗を構える明治26年創業の歴史ある「大谷金庫」の金庫でしょうか。
屋上モダンテラス&4階ホール


4階ホールと屋上モダンテラス。普段はレンタルスペース等として使用されているため非公開の特別エリアです。

こちらが4階ホール。広々とした空間が広がっています。


アーチをくぐり抜けて屋上テラスへと向かいます。

テラスから見下ろす街並み。竣工当時は現在とは全く異なる景色が広がっていたのでしょうね。

歴史ある蒸気暖房(スチームヒーター)。北浜の新井ビル等でも同タイプの暖房設備が見られます。


創建当時のものと思われる木製建具も綺麗に受け継がれています。
裏口エントランス

こちらは裏手側のアプローチエントランス。

地下へと続く階段も実にシックで素敵ですね。
イケフェスで巡った心躍るレトロ建築のレポはこちら↓↓

Summary for International Travelers
Completed in 1927, the Shibakawa Building is a Registered Tangible Cultural Property located in Yodoyabashi, Osaka.
- Highlights: Designed in Art Deco style influenced by ancient Mayan and Incan motifs, featuring scratch-tile exterior walls, Spanish roof tiles, heavy vault doors, acoustic voice pipes, and a top-floor modern terrace.
- Visiting: Today it serves as a commercial building housing chic cafes, chocolatiers, and boutiques. The 4th-floor hall and rooftop terrace are usually open only during special architecture events.
- Access: A 1-minute walk from Exit 11 of Yodoyabashi Station (Osaka Metro Midosuji Line).
さいごに
北浜・淀屋橋エリアはレトロ建築の宝庫で、浪花教会、生駒ビルディング、大阪府立中之島図書館、大阪市中央公会堂などがすぐ近くに集まっています。
また、周辺にはリスボン、喫茶nest、画廊喫茶イーゼル、北浜レトロといった魅力的な純喫茶・カフェも充実しているので、建築巡りとあわせて散策を楽しむのもおすすめです。
*2023年2月、10月撮影
*イベント時の撮影につき人物ボカシは最低限にさせていただいています。
※ 記事の情報は公開日月時点のものです。
最新状況については公式サイト、お電話にてご確認くださいませ。
施設情報
<スポット情報>
芝川ビルディング(しばかわびるでぃんぐ)
住所:大阪府大阪市中央区伏見町3-3-3
アクセス:大阪メトロ御堂筋線「淀屋橋駅」11番出口より徒歩すぐ


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