『江戸堀コダマビル』スパニッシュ様式と日本建築ミックスのキュートなレトロ建築ビル

大阪

昭和初期に個人宅として建てられた「江戸堀コダマビル」を、イケフェス2023のイベントで見学してきました。

ミッション・スパニッシュ様式と日本建築をミックスした個性的な建物。全面改修を経て、現在はクラシック音楽等の練習や研修・会議などに利用されています。

建物概要&MAP

名称江戸堀コダマビル
(えどぼりこだまびる)
竣工1935年(昭和10年)
設計岡本工務店(山中茂一)
見学利用者以外立入禁止
(公式サイトより事前予約で見学可能)
その他登録有形文化財(2007年12月指定)
生きた建築ミュージアム大阪

江戸堀コダマビルは故児玉竹次郎の本宅として建てられた昭和初期の近代建築で、平成19年国登録文化財に登録された。児玉竹次郎は、現在の靱本町に児玉竹平商店を創業し、綿布商として大成した。設計・施工した岡本工務店は、建築家W・M・ヴォーリズの作品を手がけたことで知られる工務店。外観にはミッション・スパニッシュ様式の影響を見て取ることが出来るが、細部装飾に和風のモチーフも見られる。昭和53年の全面改修後、事業用多目的ビルに再生され、現在の姿に整えられた。現在はクラシック音楽等の練習や研修・会議などに利用されている。

文化庁・文化遺産オンライン参照

アクセスは?

ミッション・スパニッシュ様式と和風が融合した江戸堀コダマビルの外観

アクセスは大阪メトロ四つ橋線「肥後橋」駅8番出口から徒歩1分、京阪中之島線「渡辺橋」駅7番出口から徒歩約5分ほど。店舗が立ち並ぶ通り沿いにあります。

かつて塀に囲まれた中庭だったアプローチ部分と洋風建築のファサード

施工当時は手前に土塀と門があり、現在の入口前は塀に囲まれた中庭だったようです。土塀と門は惜しくも戦時中に空襲で焼失してしまったとのこと。

建築家W・M・ヴォーリズの作品を数多く手がけたことで知られる岡本工務店が設計・施工。ミッション・スパニッシュ様式と日本建築をミックスした個性的な名建築です。

1階並びの木枠格子窓とその上部を彩る可憐な小窓ステンドグラス

並んだ格子窓の上には、可愛らしいステンドグラスがあしらわれています。

建物側面に沿って静かに地下室へと伸びる外階段

こちらは地下へと降りる階段。

金属供出により木製で作られた瓦屋根上の丸い手すりベランダ

瓦屋根の上にある丸くてかわいいベランダ手すり。実は戦時中の金属類回収令(供出)で接収されたため、木製に変更されたそうです。

レトロなフォントと鮮やかなオレンジ色が目を引く案内表示板

オレンジ色の案内板もレトロで可愛いですね。

歴史を伝える江戸堀コダマビルの銘板とレトロな装飾ディテール

江戸堀に建てられた児玉竹次郎邸であることから「江戸堀コダマビル」と名付けられました。

グラデーション釉薬が味わい深い焼き物で作られたドアハンドル

焼き物のグラデーションが美しいドアハンドルも実に素敵です。

中の様子は?

玄関からまっすぐ伸びる廊下の先に見える階段と創建当時のアーチ装飾

玄関を入ると長い廊下の奥に階段が見えます。

手前にある四隅に彫刻細工が施されたアーチ枠は、施工当時からのものだそうです。

玄関脇の壁面を優しく彩るアールデコ風ステンドグラスの小窓

玄関を入ってすぐ左手には、上品なステンドグラスがはめ込まれています。

大正・昭和の家庭用品展示室

蔵に眠っていた大正・昭和の懐かしい生活用品や台所道具が並ぶ展示室

蔵に保管されていた様々な生活雑貨や台所用品を整理・展示した「大正・昭和の家庭用品展示室」もあり、公式サイトから申し込めば見学が可能です。

戦前の貴重な家庭用映写機「ベビートーキー」の展示

戦前の貴重な家庭用映写機「ベビートーキー」。

昭和の暮らしを活き活きと思い起こさせるレトロな生活雑貨コレクション

昭和の時代に実際に使われていた懐かしい品々が溢れています。

当時の社会情勢や生活様式を物語る戦時中の新聞や歴史資料

戦争に関する資料や当時の新聞なども大切に展示されていました。

木製家具の上にディスプレイされたアンティーク雑貨と家電
レトロな重厚感があふれるヴィンテージの蓄音機・レコードプレーヤー

ヴィンテージのレコードプレーヤー。

屋上近くの壁面に今も大切に祀られている「奉上棟」の木札

屋上近くには「奉上棟」の木札が飾られていました。

かつて親睦会や納涼会が開かれた開放的な屋上スペース

こちらは屋上。かつては暑気払いなど大勢が集まる親睦会などにも使われていたそうです。

表通りからは見えない屋上壁面の可愛らしい意匠ライン

表からは見えませんが、屋上の壁面デザインもとてもかわいらしいですね。

屋上から見下ろすレトロな瓦屋根と半円アーチ型の屋根意匠
和洋折衷建築の特徴を良く示す瓦屋根と洋風屋根構造の重なり

屋上からは和の瓦屋根や洋風の半円屋根のコントラストが間近に見えます。

落ち着いた光が差し込む昭和レトロな和洋折衷の室内
創建当時の趣をしっかりと留める木目と磨かれた廊下
施工当時の丁寧な職人技が光るアンティークな木製建具とガラス窓

こちらの味わいある建具も施工当時のものです。

防音設備が施され音楽の練習や小演奏会に利用されている地下ホール

地下の部屋はしっかり防音されており、現在は音楽の練習や演奏会に活用されています。

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Summary for International Travelers

Built in 1935 as a private residence for textile merchant Takejiro Kodama, the **Edobori Kodama Building** is a Registered Tangible Cultural Property in Osaka.

  • **Highlights:** A unique blend of Mission Spanish style and traditional Japanese architecture constructed by Okamoto Komuten, known for working on William Merrell Vories’ projects. Features ceramic door handles, wooden balcony railings (replaced after WWII metal collection), stained glass windows, and an exhibition room showcasing vintage Japanese household goods from the Taisho and Showa eras.
  • **Visiting:** Currently used for music rehearsals and meetings. Advance reservation via their official website is required for interior visits.
  • **Access:** A 1-minute walk from Exit 8 of Higobashi Station (Osaka Metro Yotsubashi Line) or a 5-minute walk from Exit 7 of Watanabebashi Station (Keihan Nakanoshima Line).

さいごに

耐火構造だったこちらの邸宅は裏手に江戸堀川があったことも幸いし、戦火を逃れたそうですが、会社は焼失しご家族は宝塚へ転居されたとのこと。

お引越し後も手放さずに大事にお手入れされてきたことが、この綺麗な保存状態からしっかりと伝わってきますね。

*2023年10月撮影

※ 記事の情報は公開日月時点のものです。
最新状況については公式サイト、お電話にてご確認くださいませ。

施設情報

<施設概要>
江戸堀コダマビル(えどぼりこだまびる)
住所:大阪府大阪市西区江戸堀1-10-26
アクセス:大阪メトロ四つ橋線「肥後橋」駅8番出口徒歩1分、京阪中之島線「渡辺橋」駅7番出口徒歩約5分

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