かつての歴史の面影を今に伝える、中村区の「中村遊郭エリア」。そのノスタルジックな街並みをのんびりと散策している途中で、一軒の和菓子屋さんに出逢いました。お店の名前は「甘林堂(かんばやしどう)」です。
ふらりと暖簾をくぐってみると、店内には丁寧につくられた「上生菓子」が並び、どれもお値打ちプライス。下町の路地裏でひっそりと暖簾を守り、地元で愛され続ける老舗和菓子屋さんの魅力を静かにレポートします。
お店の場所は?

お店があるのは、地下鉄東山線「中村日赤駅」または「本陣駅」から歩いて8分ほどの場所。大通りから少し入った、落ち着いた住宅街の中に静かに佇んでいます。
店内の雰囲気は?

甘林堂は昭和24年に味鋺(あじま)で創業し、昭和61年に現在の中村区日吉町へと移転されてきた歴史を持ちます。移転されてからすでに37年、創業からは74年を数える老舗さんです。

引き戸を開けて中へ入ると、店内は歴史を重ねてきたことを思わせる落ち着いた佇まい。綺麗に磨かれた木のショーケースが迎えてくれます。

そして足元に目を落とすと、床のタイルも実に渋くて良い味わいです。こうした細かな部分に、お店が紡いできた時間が宿っています。
季節の移ろいを感じるラインナップ
初めて訪れてふらりと寄った際、お値段がお手頃なのに、とても上品なお味だったことに静かな感動を覚えました。

その後、少し間が空いて2年半ぶりに伺いましたが、お値段が変わっていなくてまたまたびっくり。店主さんの実直な心意気が伝わってきます。

季節によって並ぶラインナップが豊かに変わるのも、日本の伝統を大切にする和菓子屋さんらしくて良いものですね。春には桜や藤、秋には紅葉や菊など、職人さんの手仕事が小さな生菓子の中に表現されています。

ショーケースには、お店の看板商品である「日吉丸」が。こちらは単品のほか、お土産用の箱詰めも選べます。

その他にも、大切な日の贈り物にふさわしいギフト用の進物菓子が静かに並んでいました。
紐で結ぶ昔ながらの包み方と、購入した3つのお菓子


いくつかのお菓子を選ぶと、お店の方は紙箱に入れて紐でくるりとくくる、昔ながらの包み方をしてくださいました。この丁寧な手仕事と、味のある包装紙のデザインを眺めるだけで、どこかホッとする温かい気持ちになります。

今回は、看板商品の「日吉丸」と「わらび餅」、そして上生菓子の「水鳥」をいただきました。
水鳥(190円)

そば薯蕷(じょうよ)製で作られた『水鳥』。水鳥の親子と、上品なブルーの色合いが美しい一品です。

半分に割ってみると、こしあんの中には栗の甘露煮が入っていました。甘さ控えめのこしあんはとても上品で、栗の素朴な味わいを引き立ててくれます。
わらび餅(190円)

きな粉が綺麗にまぶされた、涼しげなお姿の『わらび餅』。

中はつぶあんで、わらび餅の生地が「とろもち」とした食感。お口の中で優しく溶けていくような柔らかさです。
日吉丸(80円)

そして、1個80円というお値打ち価格に驚く『日吉丸』。

日吉丸は豊臣秀吉の幼名でもあり、お店を構える地名も「日吉」。そんな歴史のつながりに思いを馳せるのも楽しい時間です。

包み紙の秀吉公のお顔もかわいらしいですね。薄皮の最中の中には白あんがぎっしりと詰まっていて、お茶請けによく合います。

こちらは前回購入したおまんじゅう。小腹が空いたのでアピタでひとつつまんだら想像以上に上品な味わいにびっくり、ペロリと平らげてしまいました。
どれも甘さ控えめでやさしいお味。変わらぬ味を守りながらも、今の時代に合わせて洗練させているのを感じます。
さいごに
老舗の和菓子屋さんって、昔ながらの良質な素材を使い丁寧に作られているのに、お値段がお手頃な穴場が多いですよね。変わらぬ包装紙の佇まいも含めて、とても素敵なお店です。
今度はまた違う季節に、いそいそと伺いたいと思います。
※ 記事の情報は公開日時点のものです。
最新状況については公式サイト、お電話にてご確認くださいませ。
店舗情報&MAP
<店舗情報>
甘林堂
住所:愛知県名古屋市中村区日吉町32
アクセス:地下鉄東山線「中村日赤駅」「本陣駅」から徒歩8分ほど
電話:052-471-6262
営業時間:10:00~16:30【月のみ】10:00~14:00
定休日:水曜日・日曜日
駐車場:無(近隣にコインパーキング有)


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