『豊橋ハリストス正教会』戦火を耐えた120年超えの美しい聖堂との記録

三河・知多エリア(岡崎・豊橋・常滑など)

金粉を配したロココ調の優美な聖障(せいしょう)がすばらしい「豊橋ハリストス正教会」と「豊橋市公会堂」をあいたて博2024で見学してきました。

1913年(大正2年)に建てられ、120年を超えて地域を見守り愛され守られてきた教会。

第二次世界大戦で一面の焼け野原と化した豊橋の街。ただ一つ、奇跡的に焼け残った聖堂を目指して、多くの人々が歩みを進めた場所でもあります。

豊橋ハリストス正教会の建築データ

【場所詳細】豊橋ハリストス正教会

所在地:
愛知県豊橋市八町通三丁目15番地

アクセス:
豊橋駅より路面電車「市役所前」下車徒歩3分

▶ Googleマップで場所を確認

竣工:
1913年(大正2年)

設計:
河村伊蔵

駐車場:

備考:
重要文化財(2008年指定)

【この場所の魂】
1913年の竣工から戦禍を乗り越え120年以上の時を刻む、ロシア・ビザンチン様式の貴重な木造聖堂です。聖堂に入ると正面には要所に金粉を配したロココ調の優美な聖障に目を奪われます。

豊橋ハリストス正教会聖使徒福音者馬太聖堂は、大正2年12月に竣工した。平面は、西から東へ、玄関、啓蒙所、聖所、至聖所を一直線に並べる、ハリストス正教会聖堂に共通する形式である。
豊橋ハリストス正教会聖使徒福音者馬太聖堂は、ハリストス正教会聖堂の定型的な平面構成をもつとともに、我が国における木造ハリストス正教会聖堂の完成型の建築構成と細部意匠をもつことで、高い歴史的価値がある。
また本聖堂が、我が国ハリストス正教会の司祭建築家河村伊蔵の設計と推測できる点においても重要である。

文化庁・文化遺産オンライン参照

見学はできる?礼拝への参加について

豊橋ハリストス正教会は観光施設ではないため、現在のところ個別での聖堂拝観(観光見学)は不可。
ただし、日曜日などに行われる「礼拝」の時間であれば、誰でも参加可能です。

  • 礼拝参加は自由:事前連絡不要、入退席も自由。(空いている席にて参加)
  • 撮影禁止:結婚式や成人式の前撮り、コスプレ撮影は一切禁止
  • 信徒専用の儀式:聖体拝領(せいたいはいりょう)および告解は、正教徒(信者)のみ。

礼拝は祈りを捧げるための厳粛な場です。「建築を拝見させていただく」という謙虚な気持ちで、静かに参加するようにしましょう。

礼拝の時間、詳細については公式サイトをご確認くださいね。

公式サイト:
豊橋ハリストス正教会 公式サイトはこちら (外部サイトが別タブで開きます)

アクセス&駐車場情報

豊橋ハリストス正教会の外観

アクセスはJR・名鉄豊橋駅より路面電車「市役所前」下車徒歩3分ほど、豊橋市公会堂の近くです。
豊橋駅から歩いて20分ほどです。

駐車場の用意はないので近隣のコインパークに停めてくださいね。すぐ近くに豊橋市公会堂の駐車場(有料)があります。

豊橋ハリストス正教会の歴史

現教会の竣工は1913年(大正2年)ですが、豊橋での布教は1879年(明治12年)に始まり、中八町に集会所と祈祷所を兼ねた木造会堂が建設されました。1905年(明治38年)の日露戦争時には、豊橋に収監された800人のロシア兵捕虜が日曜ごとに参堂、祈祷していたそうです。

1902年(明治35年)に現在地を購入。信徒数30戸余り、約150人の信徒が資金を募り労力奉仕をもってこの聖堂を建立し、鐘楼にはサハリンから取り寄せた聖鐘を設置しました。

【戦火を逃れた奇跡】
第二次世界大戦で一面の焼け野原と化した豊橋の街。ただ一つ、奇跡的に焼け残った聖堂を目指して、多くの人々が歩みを進めました。救いを求めてその場所に辿り着き、やがて信仰の道を選んだ方もいたといいます。

日本人が設計したロシア教会

豊橋ハリストス正教会の重要文化財に指定された塔

ロシア・ビザンチン様式の木造聖堂は、日本人による設計・施工管理、現地の大工職人らによる和洋折衷が融合しています。

設計は司祭建築家「河村伊蔵」によるものと推測されます。

豊橋ハリストス正教会の同板瓦葺きの屋根

当初は亀甲葺きでしたが現在は銅板瓦棒葺きの屋根となっています。

時代を超えて愛される場所

すでに120年を超えて存在する教会は2021年から2024年にかけて全面的補修が行われました。あいたて博で見学した際にはきれいに修復されていましたが、その佇まいには歴史の重みを感じます。

豊橋ハリストス正教会の入口

ほぼ同じデザインで豊橋より前に建てられた大阪聖堂は規模も大きかったそうですが、第二次世界大戦で焼失してしまったそうです。

数々の戦禍や天災を耐え抜いた豊橋聖堂は、まさに奇跡。重要文化財に指定されたのも納得です。

ウッドの装飾のある入口扉の上に十字架。2枚目は礼拝堂から入口を映したもので両開きの扉の上にはステンドグラスの十字架が輝きます。

窓のデザインも凝っていてかわいらしい。

圧巻!ロココ調の優美な聖障

豊橋ハリストス正教会の礼拝堂

正面には要所に金粉を配したロココ調の優美な聖障(せいしょう)。壁一面に丁寧に飾られたその美しさと迫力に参加者たちからは感嘆の声が上がっていました。

聖障以外は簡素で厳かな聖堂。大正、昭和、平成、令和と時代を繋いで多くの人々に守られ、これからも歴史は引き継がれていくのでしょう。

豊橋ハリストス正教会のマリア図

マリア様、両側の窓と扉の形も凝っています。

創建当時からのガス灯

豊橋ハリストス正教会の創建当時から使われるロシア製ガス灯

創建当時から使われているロシア製のガス灯が残されていました。昔はこれで明かりを灯していたんですね。

豊橋ハリストス正教会のロシアから取り寄せたシャンデリア

ロシアから取り寄せたシャンデリアもかなりのアンティークです。

先日東京のハリストス正教会「東京復活大聖堂(ニコライ堂)」では聖障は遠くからしか見られず、今回は実際に間近にみることができて繊細な細工や絵画に感動しましたし、厳粛な気持ちになりました。

あいたて博は見学ができる貴重なチャンスなのでぜひ参加してみてくださいね!

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『豊橋市公会堂』8羽の鷲が護るロマネスク様式建築と雅な応接室の記録
1931年の竣工の豊橋ランドマーク。屋根の半球ドームを囲む4羽の鷲と、2階へ続く階段と優美な5つのアーチが圧巻、館内の貴賓室が残っており雅な空間は撮影スポットとして人気。

さいごに

市役所の屋上から聖堂が見えると教会の方に伺い、帰りに上がると聖堂は紅葉の木々からチラリと見ることができました。

新幹線の駅もある豊橋は今や多くのビルが立ち並んでいますが、戦火を生き延びた教会は心の拠り所でもあったのでしょうね。

*2024年11月撮影

記事の情報は公開日月時点のものです。
最新状況については公式サイト、お電話にてご確認くださいませ。

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