フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルライト館建設中に手掛けた『自由学園 明日館』、羽仁夫妻の熱い思いにライトが賛同して引き受けたそうです。
重要文化財として指定された名建築を見学してきたのでレポしますね。
建物情報&MAP
名称 | 自由学園明日館 |
竣工 | 1927年(昭和2年) |
設計 | フランク・ロイド・ライト |
見学 | 可(要入場料) |
その他 | 重要文化財(1997年指定) |
自由学園明日館は、1921年(大正10年4月15日)、羽仁もと子、吉一夫妻が創立した自由学園の校舎として、アメリカが生んだ巨匠フランク・ロイド・ライトの設計により建設されました。
自由学園明日館公式サイト参照
明日館建設にあたり羽仁夫妻にライトを推薦したのは遠藤新。帝国ホテル設計のため来日していたライトの助手を勤めていた遠藤は、友人でもある羽仁夫妻をライトに引きあわせました。
夫妻の目指す教育理念に共鳴したライトは、「簡素な外形のなかにすぐれた思いを充たしめたい」
という夫妻の希いを基調とし、自由学園を設計しました。
アクセスは?

アクセスはJR「池袋駅」メトロポリタン口より徒歩5分ほど、細い路地に入り池袋駅周辺の喧騒を忘れるくらいに静かな場所でした。

一目でフランク・ロイド・ライトとわかる幾何学模様、おしゃれです。

広くてうまく全体を映せず(涙)。
竣工1921年(大正10年)、ライトは帝国ホテル建設のために来日していましたが帝国ホテルライト館より早い完成。 帝国ホテル建設にかなりの時間と手間をかけたのが伝わりますね。

こちらが竣工当時の明日館の模型、ほぼそのまま残っているのかな。

明日館シンボルと言える吹き抜けの窓、これが100年以上前に造られたのかと思うと圧巻ですね。

どの窓もライトらしいデザイン。

玄関扉。
ホールの窓

吹き抜けホールの大きな窓。

ホールに並んだ帝国ホテルライト館で使われていたピーコックチェアに似た6角形の椅子、当時からのものはほとんど残っていないようですが。

2階から見ても圧巻です。
四季折々、午前と午後とホールに差し込む光の変化を楽しめるそう。

こちらのホールの窓のみステンドグラスが使われ、他の窓や扉は木枠で経費を抑えてられているんだとか。

通常は閉めていますが、今でもちゃんと窓が開閉できますよと案内スタッフが開けてくれました。

ホールの画は「見よ、火の柱、雲の柱・・・」という旧約聖書出エジプト記の一節がモチーフ、学園の美術教師を務めていた「石井鶴三氏」指導で生徒たちの手によって描かれました。

ライトは人が集まる場所に暖炉を作っていました。

ホール吹抜け、1階の柱は石材ですね。

幾何学模様の照明が和テイストですてき。

ガラス張りの広めの玄関、こちらが生徒たちの通用門だったのでしょうか。

玄関ホールには明りとりの窓。

廊下もガラス張りの窓になっており、とにかく明るい。

教室、黒板さえデザインされてますね。



100年前、1921年(大正10年)にジャーナリストであった羽仁もと子・吉一夫妻が設立した に女子校「自由学園 明日館」。
1934年(昭和9年)には生徒数増加のため移転して卒業生の活動拠点として使用されいたそうです。
知識の詰込みではなく自ら考え学ぶ力をと昼食の調理まですべてを学びとする教育方針は当時としてはかなり革新的だったのではないでしょうか。
大正から昭和と日本が大きく変わった時代にこちらの校舎の生徒たちは女子たちはどんな思いで学び、卒業後はどんな人生を送ったのでしょうか。

保存のため大きな改修もされているようですが、こちらの扉もよい状態で保存されており丁寧に使われてきたのが伝わってきます。
さいごに
日本に残されたフライド・ロイド・ライトの3つの作品の一つ、100年以上前の作品とは思えないほどモダンなデザインに心躍ります。
明るい吹抜けや廊下から女子たちの無邪気な笑い声が聞こえてくるような気がしますね。
画像がいっぱいになってしまったので食堂のカフェはこちらで↓
帝国ホテルライト館はこちら↓
*遠藤設計の講堂は今回見学できず
*2024年9月撮影
↓『自由学園 明日館』の見学については公式サイトでご確認くださいませ↓
https://jiyu.jp/
施設情報
<施設情報>
自由学園明日館
住所:東京都豊島区西池袋2-31-3
アクセス:JR「池袋駅」メトロポリタン口より徒歩5分