2日目は新山口駅から山口駅へ、「旧河村写真館」へ向かいました。
山口へ行くなら絶対に見たいと思っていた大好物の擬洋風建築。およそ120年の歴史を持つ建物で、2010年頃まで現役で営業されていたという歴史ある写真館です。
神社の一角にある写真館は、地域の人々の人生の節目を見守ってきた、まさに街のランドマークでした。
山口駅から旧河村写真館までのアクセス
山口駅からはゆっくり歩いて20分ほど。「JRバス中国 防長線」を利用すれば、山口駅から八坂神社前まで約10分(1時間に2本ほど運行)でアクセスできます。
車で向かうなら写真館の向かいには観光用の無料駐車場がありますよ。
💡 ワンポイントアドバイス
ローカル線のためバスの乗り場や行き先が少し分かりづらい印象でした。不安な方は、山口駅1階にある観光案内所で乗り場や時間を事前に確認してから乗るのが確実で安心です!お天気が良ければ散策がてら徒歩(約20分)で向かうのもおすすめですよ。

5月末の少し汗ばむ季節。散策しながら歩いた先に、鳥居の向こうに見えた赤い屋根。「やっと会えたね。」そんな気持ちになったのでした。
旧河村写真館(旧小野写真館)とは?
八坂神社の境内にポツンと佇む、レトロでどこか温かみのある建物。実はここ、山口県内でも特別な歴史を持つ場所なんです。
「擬洋風建築」とは、西洋風の外観を真似つつ、日本の伝統的な木造建築技術を使って建てられた明治初期の「和洋折衷」建築のこと。
和と洋の融合の中に当時の大工さんの苦労や工夫が伺えて大好きで、今回も写真を大量に撮ってきました。
明治から平成まで、街を見守り続けた120年
元々は毛利藩の砲術師範だった小野為八氏が写真術を学び、「県内最初の写真館」として建てたのが始まりだそう。
昭和30年(1955年)に「河村写真館」となり、なんと平成22年(2010年)頃まで現役で営業されていました。
建物前の案内板の説明

山口県指定有形文化財(建造物)河村写真館
玄関からの奥行(桁行)11.65m、幅(梁間)6.1mの木造二階建て、瓦葺きの擬洋風建築である。
玄関真上の二階に手すり子を巡らせた三連続アーチのベランダを持ち、二階の上には塔屋を載せている。また、外壁が下見板張りであること、左右対称に縦長窓を配していること、窓枠には鎧戸(よろいど)を取り付けていた痕跡が認められることなど、外見上、明治初期の居留地の洋風建築に通じる特色を持つ。
一方、外観とは対照的に、小屋組は和小屋であり、地方における洋風建築の様子によく示している。
正確な建築年代は不明であるが、資料から明治20年(1887)前後に旧士族の松原繁が写真館として建築したと考えられており、地方における市民生活の近代化を象徴する貴重な建造物の一つである。
また、建築当時から所有者を変えながらも、およそ120年あまりにわたり写真館として使用されていたことは、教内においても他に例が無く、建築当時の原形をよく留めている。── 現地案内板(山口市教育委員会)より引用
八坂神社の一角に佇む写真館

八坂神社の一角に建てられた「旧河村写真館」は、明治20年(1887)頃に建てられた山口県内最古級の擬洋風建築です。

当時の神社は冠婚葬祭、七五三、成人式など人生の区切りに欠かせない存在。写真館として地域の人々の人生を長きに渡り見守ってきたのでしょうね。

神社側が入口で、塔屋と2階ベランダに3つのアーチが並んだ2階建ての木造建築です。

こちらがエントランスですね。ベランダの柵もおしゃれです。

エントランスの扉横にある照明ランプ。

扉の上にはアーチのすりガラス窓。

使い込まれた真鍮のドアハンドル。

扉の向こうにチラリと中の様子が見えました。
中央にはアンティークなシャンデリア。
床に置かれているのは写真館の模型でしょうか。昔からこのハイカラな写真館が愛されていたことが伝わってきますね。

壁のアンティークな写真がおしゃれですね。十数年前までは現役の写真館だったんですよ。

洋風の外観と木造構造のハイブリッド。当時の職人さんたちが「洋館風にしよう」と試行錯誤しながら腕を振るったのでしょうね。
内部は畳と襖の和式なんだそうですよ。

大きな格子窓に、「河村写真館」のロゴもレトロです。

自然光を取り込むため窓が多く、大きな格子窓も見られます。

こちらが裏側ですね。
地方の近代建築には地元の熱量を感じる

明治時代の擬洋風建築が、こうして現存しているのは奇跡のようなことです。
地方の近代建築を巡って感じるのは、「地域の人々に愛され、守られているんだな」ということ。義務感ではなく、地域の方々の熱量によって保存されているんですよね。
この建物も窓など一部は傷みが見られるものの、周辺も内部もとても清潔に保たれていました。
2010年頃までは現役だった写真館。地域の多くの方々の思い出の場所であり、今も変わらず街のランドマークなのでしょう。
パトカーがやってきた話(笑)
やっとお目にかかれた「旧河村写真館」。興奮しながら周辺を何度も回り、入口を覗き込んで夢中で写真を撮るわたくし。周りには人っ子一人通りかかりません。
するとパトカーが一台通りかかり、すぐ前の無料駐車場でUターンして戻ってきたので、わたしは道路沿いに出て「不審人物じゃないですよ〜」と無言のスマイルでお辞儀をお伝えしました(笑)。
夢中になって写真を撮っていると、たまに警察官や地元の方に声をかけられたりします。
防犯カメラがあったり、ご近所の方が気にして見てくださっていたりするのだと思います。そういう時は、こちらから気持ちよくご挨拶するようにしています。
今回の旅で元乃隅神社の美しい奏でる様な鳥居も拝んできました!!↓↓

「大人になったらエトワルへ」、ノスタルジーあふれる↓↓

おわりに
この記事では、山口市で120年以上の歴史を持つ擬洋風建築「旧河村写真館」をご紹介しました。
神社と共に地域の人々の人生の節目を見守ってきた写真館。今も街のランドマークとして大切に守られていました。
山口には萩にも素敵な擬洋風建築「萩学校旧職員室」などがありますので、近代建築好きな方はぜひ巡ってみてくださいね!
*2026年5月訪問撮影
※ 記事の情報は公開日時点のものです。
最新状況については公式サイト、お電話にてご確認くださいませ。
English Summary
A travel log exploring the historic Former Kawamura Photo Studio (Former Ono Photo Studio) located in the grounds of Yasaka Shrine in Yamaguchi City. Built around 1887, this rare two-story wooden Giyofu (pseudo-Western style) architecture served as a local photo studio for over 120 years until around 2010. Features architectural details, access info, and personal anecdotes.
旧河村写真館の建築データ
【施設名】旧河村写真館
竣工:明治20年(1887年)前後
設計:不明
住所:山口県山口市上竪小路103
アクセス:山口駅から徒歩20分
>>Google mapで場所を確認する
見学:外観のみ(常時見学可能)
駐車場:向かいに見学用無料駐車場あり

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