桑名『六華苑』ジョサイア・コンドルが設計した塔から港を臨む洋館

今回のレトロ巡りは三県桑名へ、気になっていた六華苑に行ってきました。

イギリス人建築家 ジョサイア・コンドルの設計、ほとんど現存していないジョサイア・コンドルの建築物が三重県に残っていたとは驚きですね。

窓から海を臨む洋館、とってもすてきでした。

建物概要＆MAP

＊隣接の和館も重要文化財に指定されています。

１９世紀中頃から桑名で活動した豪商諸戸家が大正初期に建設した邸宅。
洋館が大正２年、和館が大正元年の建築で、洋館の設計は英国人ジョサイア・コンドルによるものである。
洋館と和館がそろって残り、両者が直線上に接続する配置に特徴があり東海西部地方において本格的洋館を備えた代表的邸宅として貴重である。

文化庁・文化遺産オンライン参照

六華苑とは？

六華苑（旧諸戸清六邸） は、山林王として知られた実業家「二代諸戸清六」の住居として明治44 年に着工、大正2 年に竣工されました。

揖斐・長良川を望む広大な敷地に、洋館と和館、蔵。 広々とした庭園は「池泉回遊式」の邸宅となっています。
一部の改修と戦災を受けましたが創建時の姿をほぼそのままにとどめた貴重な建築物で「洋館」および「和館」は平成9年に国の重要文化財に指定、他６棟が三重県の有形文化財に指定されました。

広大な敷地全体が公開されていますが、今回はジョサイア・コンドルが設計した洋館をご紹介しますね。

六華苑概要

ジョサイア・コンドル設計の洋館

長屋門から緑の芝生に沿って小道を行くと木々の間に美しいアクアブルーの洋館がのぞきます。

正面から右手が4階建ての塔屋で設計当時は3階建てだったものを揖斐川の風情を楽しめるようにと４階建てに変更されました。

当時は国内にガラスを曲げる技術がなかったそうで、塔屋の窓ガラスは輸入されたものだそう。

裏手のサンルーム、旧岩崎邸のサンルームを思わせます。

1階屋根のキュッとしたアールがすてき。

玄関先の車寄は繊細により倒壊したものを復元したもの。

ステンドグラスも復元されたもの。

玄関のタイルは戦災を免れた、コンドルお気に入りの輸入タイルでベランダとトイレにも同じものが使われています。

塔屋1階は客

１F 食堂

1階の食堂。

１F 客間

1階の客間。

置かれている家具は当時のものではなく、ほとんどが購入したアンティーク家具。

購入した家具には輸入先と年代が書かれていました。

マントルピース。

マントルピースの隣に置かれていたので炭入れかな。

ホール

広いホール、階段の手すりのデザインにがハートが。

２F 居間

2階の居間はサンルームからの陽射しで明るい。

クローゼットは押し入れ風？

それぞの部屋で違う照明ランプ、この部屋のが一番好みでした。

電気スイッチ、当時から各部屋（洋館だけ？）電気だったんですね。

書斎

サンルームに通じる2階の書斎。

こちらのデスクとチェアが素敵すぎなのです（当時のものではないです）。

書斎ディスクはイギリス 1910年、華奢なハンドルに縁取りの細工。脚部分も要チェックです。

ディスクチェアはデンマーク1880年、ひじ掛けの細工が使いこんでツルツルになっているのもよきです。

ドアハンドルと鍵穴。

2階の塔屋だったかな？

トランクには二代目清六の長男「諸戸 民和」のネームタグがありました。

塔屋の窓から港に入る船を確認していたそうです。

サンルーム

凝った形のサンルーム。

優雅に日向ぼっこしたのかしら。

3階の塔屋に上がる階段、アールのカットがすてき！（3階以上は非公開でした。）

奥の和館に続く通路のトイレ、この時代で様式トイレです。

さいごに

白とアクアブルーの塔屋とサンルームのある洋館、期待以上にすてき！ こんな近くにジョサイア・コンドルが設計した洋館が現存しているなんて驚きです。

陽気のよい季節に伺ったので、わたしは桑名駅の観光案内所で自転車をレンタルして伺いました。

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