覚王山のミステリー!揚輝荘・聴松閣の地下に眠る「インド様式」と「謎の通路」

歴史を見守る構造物

かつて名古屋・覚王山に約1万坪の広大な敷地に迎賓館としての建てられた聴松閣など30数棟に及ぶ建物が広がっていました。

そしてその足元に張り巡らされた全長約170メートルにも及ぶ謎の「地下迷宮」の存在が平成になってから掘り起こされました。

松坂屋初代社長・伊藤次郎左衛門祐民が心血を注いだこのトンネルは、昭和初期の最新技術を駆使して造られたコンクリート製の異空間。今回は地下トンネルの開放普段は非公開のエリアを含め、その全貌を探ってみました。

建物情報&MAP

名称揚輝荘(ようきそう)
竣工大正から昭和初期
設計
見学一般公開(有料)
その他市指定有形文化財

揚輝荘は、松坂屋の初代社長である15代伊藤次郎左衛門祐民(いとうじろうざえもんすけたみ)が、大正から昭和初期にかけて別荘として建設した、名古屋の近代における郊外別荘の代表作です。
揚輝荘が建つ覚王山の丘陵地は、広さ約1万坪。池泉をめぐらすなど、起伏に富んだ地形や周囲の自然を活かすように工夫がなされています。最盛期には、歴史的・建築的価値の高い30数棟に及ぶ建物がありました。

揚輝荘公式サイト参照

アクセスは?

地下鉄東山線「覚王山駅」2番出口から徒歩10分ほど、住宅街の中にあります。

「揚輝荘(ようきそう)」とは?

かつて名古屋・覚王山に、約1万坪もの広大な敷地を誇る別荘「揚輝荘」がありました。松坂屋の初代社長、15代伊藤次郎左衛門祐民が心血を注いだこの場所には、往時30数棟もの建物が点在。現在は北園・南園に分かれ、市指定有形文化財としてその歴史を伝えています。

なかでも、平成になってからその全貌が注目されたのが、足元に張り巡らされた全長約170メートルに及ぶ謎の「地下迷宮」です。

インド様式の地下ホールから始まる旅


「旧舞踏場」のある地階ホールは極彩色の壁画に彩られた幻想的な空間です。


地階ホール左右の壁画は、インドのアジャンター石窟の写しで釈迦の生涯を描いたものと言われています。

壁画はインドからの留学生が描き、1938年(昭和13年)に製作されたサインが残されている幻想的な空間です。

異国情緒あふれる壁絵、約90年をすぎて残されていることがすばらしい。

旧舞踏室の反対側の扉の向こう、階段の下に地下通路への入り口が口を開けていました。

謎の迷宮

このトンネルは、かつて有芳軒(ゆうほうけん)(現存せず)まで伸び、途中から東へ分岐した先の出入口は五色玉石貼りの欄干と「聴泉窟(ちょうせんくつ)」と彫られた石盤で飾られていました。 防空壕としても使われましたが、本来の建築目的は不明です。

現在は北園と南園を遮る形のマンション開発で大部分が撤去されましたが、聴松閣地下に往時の大トンネルの南入り口が残されています。

マンション工事が始まる前にトンネルの北側開口部から探検隊が入り、ビデオ撮影・測量を行い、記録を残しています。建設当時の設計図によりますと、T字型で総延長170mの大きさで探索時には東口は既に途中で壁が造られ遮断されていました。

地下トンネル入口へ

いざ、28段の階段を降りて入口へと迫ります。

入口へ続く壁のブルーと白のタイル、模様は釉薬を使っており一枚づつ表情の異るのも魅力です。

入口扉の全貌が見えてきました。

アーチの周りにはインド風の装飾、スイング窓になっています。

そして天井の照明は車寄せにあった明かり取りの窓です。

分厚い鉄の扉に守られた奥にトンネルへの入口が見えてきます。

いよいよ28段の階段を進みます。

鉄格子の向こうのトンネルは思ったよりもゆったりと広い空間になっていました。

アーチの鉄扉の向かい側には表へ抜ける空間が残っており、こちらは倉庫だったのかこっそりと屋外へ出るための秘密のドアだったのか。

トンネルの役割と謎

このトンネルは、かつて敷地内にあった「有芳軒」などの主要な建物を網の目のように結んでいました。
トンネルがなぜ造られたかは謎で様々な説が存在しています。

  • 社交と演出:ゲストを驚かせるための演出
  • 実用と避難:戦時中は防空壕としても転用されました
  • 秘密の動線: 誰にも見られずに移動するための「隠し通路」

自由に想像力を膨らませてみるのも楽しいですね。

ミステリアスな歴史のカケラ

マンション開発により大部分は撤去されましたが暗闇の中に続く堅牢な壁や、地上へと繋がる階段の跡は、当時の「揚輝荘」が「祐民が作り上げた王国」であったことを今に伝えています。

異国情緒を散りばめた王国は多くの歴を今に伝えてくれていますが、その中で一番ミステリアスな歴史のカケラがこの地下トンネルなのは間違いないですね。

↓↓揚輝荘・聴松閣1階、2階↓↓

↓↓揚輝荘・聴松閣のインド風「地下舞踏場」↓↓

地下トンネル特別公開日はいつ?

今回は2026年2月に開催された「聴松閣 地下トンネルの遺構」に参加してきました。 公開期間は2週間、予約は不要で見学が可能でした。

公式サイトやInstagramで案内があるので気になる方はチェックしておいてくださいね。

さいごに

地上には国内外の大事なゲストを迎える華やかな迎賓館を構え、地下には『遊び心』と『危機管理』が交差する”静かな迷宮”を内包した「揚輝荘」はまさに歴史ロマンがつまっていますね。

地下トンネルの「ミステリアス」は、さらにわたしたちの興味をそそるエッセンス、来年の公開にはぜひ足を運んでみてくださいね!

*2026年2月撮影

記事の情報は公開日月時点のものです。
最新状況については公式サイト、お電話にてご確認くださいませ。

施設情報

<施設情報>
揚輝荘 聴松閣
住所:愛知県名古屋市千種区法王町2丁目5−17
アクセス:地下鉄東山線「覚王山駅」2番出口から徒歩10分
入園料(南園 聴松閣):300円(2025年10月から450円)・中学生以下無料
定休日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/29~1/3)
開園時間:9:30 ~ 16:30

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