千種『昭和塾堂』知られざる昭和の名建築を見学、泰山タイルに八角塔の美しさ

覚王山・本山・東山公園

あいたて博のプレミアム企画で念願の「昭和塾堂」に当選、ワクワクしながら見学してきました。

お目当ては「泰山タイル」でしたが、八角の丸窓に囲まれた尖塔や塔に続く階段など見所まんさいのツアー!こんなすてきな歴史的建造物が名古屋にまだあったのかと感激しました。

建築物概要

名 称昭和塾堂
竣 工1929年(昭和4年)
設 計愛知県営繕課
(酒井勝、安藤武郎、黒川己喜、尾鍋邦彦)
見 学あいたて博等イベント時のみ可
その他あいたて博

大正から昭和初期にかけて、青年会(青年団)の活動が各地で盛んとなったことから、愛知県がその教化の中心となる精神修養の場として、昭和4(1929)年3月(工期約1年)、建設された。

建築後は、男女青年団の幹部や指導者の養成が3日から10日の合宿により実施されたほか、婦人会、修養団体等の利用が相次いだ。

戦時中は、陸軍(いかり部隊)や東海軍司令部として、戦後は名古屋大学医学部基礎医学系諸教室や、愛知県教育文化研究所、千種区役所仮庁舎、愛知学院大学大学院歯学部研究棟として利用された。

名古屋市HP参照

アクセスは?

アクセスは地下鉄東山線「覚王山駅」徒歩7分ほど、城山八幡宮境内に位置しています。

1929年(昭和4年)竣工、昭和初期で各地で建てられた青年教育・社会教育施設として全国に先駆けて設立、現存する唯一の施設である。
設計は愛知県営繕課、黒川紀章氏の父親もかかわっていた。

日本建築に西洋古典建築の様式を取り入れ、尖塔を中心に3つの棟が伸びており600人収容の講堂、神殿、教室、食堂、図書館、寝室、浴室、貴賓室等の設備が完備されている。

上からも横からも「人文字型」に見えるようにデザインされており、この施設の目的である「人づくり」を表現している。

正面玄関

尖塔の1Fが正面玄関、創建当時の写真を見ると広く開けており道が続いていたようです。

玄関口のタイル、絶妙な美しい色合い。

内側から見た正面玄関、両サイドにアール窓。

装飾の入った石柱。

玄関の正面は事務室か何かだったのかな。

床は一面タイルになっています。

講堂

600人収容可能な講堂、舞台があります。

舞台の反対側、上は2階席。

2階席、仕切り壁が低くて危険そう。

柱の装飾。

講堂は雨漏りしていたり、天井のコンクリートがはげ落ちたりして

食堂

食堂、広くて窓が多明るい雰囲気。

炊事場、すでに撤去されたらしい竈?らしき跡がありました。

アシンメトリーに配置された天井の装飾。

アールに沿うように配置されています。

廊下もアーチになっており細かなところまで凝っていますね。

尖塔に続く階段

祈りの場である尖塔に続く廊下が美しい。

美しい曲線に圧倒されます、これが100年近く前に建てられたとは。

最上階尖塔部

「祈りの場」とされる最上階、外観の尖塔の部分です。

8本の支柱にも美しい装飾。

天井部分、晴れていればもっと採光が美しかったのかしら。

外観から見る尖塔部分、教会でも神社仏閣でもなく純粋に祈る場だったのでしょうか。

西棟地下

西棟の地下にはボイラー室、浴室、医務室、休憩室、売店等の設備があったそうです。

洗面所にもなっていたんでしょうね。

戦後は名古屋大学医学部基礎医学系諸教室や、愛知県教育文化研究所、千種区役所仮庁舎、最終的に昭和45年(1970年)~平成29年(2017年)まで愛知学院大学大学院歯学研究棟として使用されていました。

その後敷板を撤去すると明治時代~昭和初期までの貴重なタイルが乱貼りされた美しい姿が現れたそう。

板張りされたのは利便性を重視したためか、タイルを保護するためだったのかわかりませんが結果的には美しい状態で令和時代に残されたことになりますね。

城山八幡宮養心殿

昭和塾堂付属体育館として昭和6年に建てられました。

武道場として人気だそうで、この日も剣道の練習場として使われていました。

94年の木造建築ですが開けっ放しになった入口からチラリと覗いた感じはほぼそのままのようです。

朽ちていく歴史的名建築

昭和塾堂は昭和18年(1943年)に軍に接収され東海軍司令部が入ったことで戦後は「軍国主義教育の施設」としてレッテルを貼られ、
また「祈りの場」があることで宗教施設としても色眼鏡でみられて名建築としてスポットを浴びることなく朽ちていこうとしています。

これだけ素晴らしい意匠の建築物が文化財にもならず、8年放置されてしまっているのは名古屋市民としてもとても残念で何とか保存してもらいたいですよね。

さいごに

今回の見学でも天井から雨漏りしていたり、コンクリートがはげ落ちていたりと劣化が進んでいるのがみてとれました。

保存にむけて動いていらっしゃる方もいるので何とかよい方向に向かって欲しい、クラファンとかあれば協力したいです。

記事の情報は公開日月時点のものです。
最新状況については公式サイト、お電話にてご確認くださいませ。

施設情報

<施設情報>
昭和塾堂
住所:愛知県名古屋市千種区城山町2丁目90-1、90-2
アクセス:地下鉄東山線「覚王山駅」徒歩7分

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