京都モダン建築祭2023のイベントで京都を周り「京都府立医科大学 本部棟(旧附属図書館)」へ向かう途中に通りかかった「新島旧邸」、ちょうど開放日とのことで見学させていただきました。
明治時代に和洋折衷のデザインで京都の大工が建てた洋館、家の中はかなり近代的な設計になっていました。
当時の家具や調度品もそのまま残され、当時の生活感を感じられる貴重な邸宅でした。
建物情報&MAP
名称 | 新島旧邸 |
竣工 | 1878年(明治11年) |
設計 | 不明 |
見学 | 一般公開(公開日については下記参照↓) 同志社社史資料センターホーム |
その他 | 京都市有形文化財指定(1985年6月指定) |
新島襄とその妻・八重の私邸であった建物で、ボストンの友人J. M. シアーズの寄付により建てられました。
この場所は同志社英学校が開校した際に仮校舎として賃借した高松保実邸の跡地です。外観はいわゆるコロニアルスタイルの洋風ですが、和風建築工法である真壁造りを用いています。間取りは日本的な田の字型であり、床が高く、三方にべランダをめぐらし、窓には鎧戸をつけ、白い壁面に茶褐色の木部を見せる簡素な二階建住宅です。
設計者・施工者とも明らかではありませんが、建築の際には当時の同志社教員で医師・宣教師でもあったW. テイラーの助言を得たと言われ、京都の大工によって建てられました。1985年6月1日に建物が京都市から有形文化財に指定され、翌年6月2日に家具57点が、さらに1993年4月1日に付属屋と門が、それぞれ追加指定されました。
同志社社史資料センターホーム参照
アクセスは?
地下鉄烏丸線「丸太町駅」から徒歩約15分、京阪電車「神宮丸太町駅から徒歩約10分ほど。
京都モダン建築祭で「京都府立医科大学 本部棟(旧附属図書館)」へ歩いて向かう途中でたまたま通りかかり、見学に伺いました。
和洋折衷の簡素ながらこじゃれた外観。
同志社教員で医師・宣教師でもあったW. テイラーの助言を受け、京都の大工が建てたそうです。
台所
驚いたのが台所。 現在のキッチンと変わらず蛇口(井戸)、流し、コンロが効率的に並んでいます。
冷たい土間に台所があり、井戸は家の外にあるのが当たり前の時代にすばらしいですね。
排気口が天井に続いています。
台所の中にある井戸、外へ出て重たい水を運ぶ必要もなく便利ですよね。
家具や調度品も登録文化財に指定されています。
どれも状態がよく、丁寧に使われていたのが伝わりますね。
食堂
台所と食堂を繋ぐハッチ式の配膳棚を備えているのも当時としては画期的な造り。
応接間
18畳ほどの応接室、テーブルなど家具は当時のもの。
オルガン。
革張りの椅子は高さ調節もできるようですね。
カウチ風の猫脚ソファー! すてきすぎる。
書斎
書棚の本は8割が洋書で同志社大の学生が図書室のように使っていたんだそう。
筆が使われていたんですね。
アンティークな家具や調度品を見るだけでも心躍ります。
客室
客室和式の畳敷きの部屋。
トイレとお風呂
洋式トイレ初期のもので座って使うタイプ。
2階
2階は開放されていませんが、寝室と居間があり家族の生活エリアみたいです。
縁側
庭を臨む縁側。
外観は簡素ながらセントラルヒーティング、キッチンに近い台所、洋式トイレなどかなり近代的に設計されています。
敷地内には教会もあり海外の方も多く出入りしていたんでしょうね。
さいごに
明治時代の和洋折衷の洋館、家具や調度品もそのまま置かれてタイムスリップしたような気分を味わえました。
運よく通りがかって見学ができてラッキー。
*2023年11月撮影。
※ 記事の情報は公開日月時点のものです。
最新状況については公式サイト、お電話にてご確認くださいませ。
施設情報
<施設情報>
新島旧邸
住所:京都市上京区寺町通丸太町上ル松蔭町
アクセス 地下鉄烏丸線「丸太町」駅下車、徒歩約15分
京阪電車「神宮丸太町」駅下車、徒歩約10分