あいたて博2024にて西村伊作氏設計「久野家住宅(愛山居)」を見学してきました。
築100年の古民家、門柱・庭門・主屋が2024年に登録有形文化財に指定されました。
「愛山居」は主屋を建てた久野家の当主「久野淗之助(きくのすけ)氏」の号は愛山(あいざん)に因んでいます。
「久野家住宅(愛山居)」建築データ
【施設情報】久野家住宅(愛山居)
竣工:
1925年(大正14年)
設計:
西村伊作
見学:
イベント時のみ公開
備考:
登録有形文化財(洋館・門)
【この場所の魂】
1925年の竣工当時から、伊勢湾を望む丘陵地で時を重ねてきた美しい郊外住宅。
西村伊作が手掛けた洋館と丸石の門は国登録有形文化財であり、2階ベランダ付き洋室やガラス張りの展望台からは当時の洗練された暮らしの息吹が今も鮮やかに伝わってきます。
久野家住宅(愛山居)主屋
伊勢湾東岸の丘陵地に建つ郊外住宅。設計は西村伊作。2階建切妻造スレート葺。各階にベランダを配し1階柱間にアーチを飾る。屋根は南に妻をみせ、半円の屋根窓を付す。1階は和室、2階は洋室を中心とする。独特な外観などに西村らしい意匠がみてとれる。
文化庁・文化遺産オンライン参照
久野家住宅(愛山居)門柱くのけじゅうたく(あいざんきょ)もんちゅう
敷地東面に開く正門の石貼門柱。間口2・4メートル。大きさの揃った楕円形の扁平な玉石を用い、各石の頂部を斜め上方に突き出すように積上げ、全体に方形平面の柱をつくり出す。独特な意匠が特異な印象をもたらす門柱で、通りに面した景観に異彩を放つ。
文化庁・文化遺産オンライン参照
久野家住宅(愛山居)庭門くのけじゅうたく(あいざんきょ)にわもん
主屋南東、南庭への出入口となる門。モルタル仕上としたコンクリート製の擬木の柱を四本立て、頂部や脚部を枝状のコンクリート製の擬木で連結して、アーチ風の門をつくる。表面のシワやコブなども丁寧に仕上げて表現し、敷地内景観のアクセントとなる庭門。
文化庁・文化遺産オンライン参照
アクセスは?

アクセスは名鉄河和線「南加木屋駅」徒歩7分ほど。
門柱(哲学の門)

表門の石の柱『哲学の門』が西村伊作氏の作品として「久野家住宅(愛山居)門柱(くのけじゅうたく(あいざんきょ)もんちゅう)」として登録有形文化財に指定されています。

表門から玄関に続くこちらの石畳も丸石を好んで使った西村伊作氏らしい作品とのこと。
庭門(疑木の門)

玄関から庭に出る路に構えた『疑木の門』も「久野家住宅(愛山居)庭門(くのけじゅうたく(あいざんきょ)にわもん)」として登録有形文化財に指定されています。

モルタル仕上のコンクリート製の擬木の4本柱に枝状のコンクリート製の擬木でアーチの門を成形、よくよく見ないとコンクリートの木とは気づきませんね。
主屋(洋館)

西村伊作が設計した主屋、ベランダの3つのアーチが特徴。

2階の2部屋の展望室は増設されたもの。

アーチの門、半円に広がる階段が特徴的。

入り口のタイルがおしゃれです。

大きな格子窓から陽が降り注ぐ玄関ホール。

1階は和室、庭が美しく見えます。お隣の和室には茶室がありました。

2階へ上がる階段。

アーチの窓からの陽射しが明るい洋室、庭が美しく見えます。

2階のベランダ。

洋室のお隣の展望室、こちらは増築したようです。

こちらが角の展望室で床は寄木細工、ぐるりと広がる窓から遠くまで見渡せます。
かつては南加木屋駅辺りまでの広い田畑の地主であり、久野淗之助氏はここから自分の管理している土地を眺めていたそうです。

見事な網代天井。

1階の屋根は銅葺きかな?
庭園

広い庭園には庭があり、昔は野点なども行われていたそう。

奥には日本庭園もあり、風情あるお庭だったことが伺えます。
さいごに
現在は久野淗之助氏のお孫さんが管理されており、保存に向けて尽力されています。
西村伊作氏は100軒以上を設計していますが戦禍や天災などで現存している古民家は希少、あいたて博など開放イベントには県外からも見学に来ているようですよ。
*2024年11月、2025年10月撮影
※ 記事の情報は公開日月時点のものです。
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