京都モダン建築祭2023にて「京都府立医科大学 本部棟(旧附属図書館)」を見学してきました。
竣工1929年(昭和4年)、大学としての設立は1872年(明治5年)と150年以上の歴史ある大学です。
今回は3階の階段教室と1階の展示室を見学してきました。
京都府立医科大学の中に残されたこの建物は、昭和初めの高等教育機関らしい威厳を今に伝えています。
本部棟として現役です。正面を見ると左右対称の姿の中に、先のとがった尖頭アーチが動きを加えているのがわかります。ところどころにテラスのようなものを設けて緩急をつけています。3つ並んだ尖頭アーチの大きな入り口を入ってみましょう。
まず、ステンドグラスが見えてきます。このステンドグラス、ちょっと幾何学的な当時のアール・デコと言われるような流行を反映しています。鉄筋コンクリートでしっかりとできたた建物の中にかつての図書館、そして現在も使われている階段教室がおさめられています。この階段教室、傾斜がかなり急です。まるで、昔のドラマの中にいるような気分になるかもしれません。社会的使命を感じさせる威厳のある建物です。それが今も大学の雰囲気を形作っています。
京都モダン建築祭サイトより
建物情報&MAP
名称 | 京都府立医科大学 本部棟(旧附属図書館) |
竣工 | 1929年(昭和4年) |
設計 | 十河安雄 |
見学 | 不可 |
その他 | 京都府登録有形文化財(2008年3月指定) 京都モダン建築祭 |
アクセスは?
アクセスは京阪「出町柳駅」徒歩13分ほど。
京都随一のネオ・ゴシック様式を基調とし、左右対称に細長い尖頭アーチの窓、尖頭アーチの入口が3つ並びます。
垂直を強調するパットレス(控壁)が柱上部に用いられ、高等教育機関らしい厳格な雰囲気を醸し出しています。
1929年(昭和4年)竣工、京都府有形文化財に指定された2008年以降に修復が行われています。 現在は本部棟として使用。
側面の窓。
地下1階、地上3階建て、創建当時は地下は柔道道場と学生控室として使われていました。
入口を入った正面の扉、創建当時は教室があったそうです。
扉の前に設置されたコート掛けと傘立て? とても高級感がありますね。
正面中央に見えるアーチの窓。
階段教室
3階の階段教室、2つあるそうです。。
かなり急な傾斜になっています。
上に上がる左右の階段。
階段の下は舞台裏みたいな空洞になっています。
上から見るとどれだけ急になっているかわかりますね。
教壇。
木箱のチョーク入れ。
応接室
準備室だった部屋を現在はシャンデリアの応接室に改修、上のステンドグラスは旧鴨川病棟(1916年建築)のものを移築したもの。
扉の窓の形がおしゃれですよね。
1階
1階の展示室? 使われていた機器などが保管されていました。
入口の扉上にもステンドグラス。
「鉄の肺」、1920年代に開発された初期の人口呼吸器。
大正10年10月から昭和26年3月まで使われていた「大学予科の門標」などなど。
1階の床タイル。
徒歩圏内でモダン建築祭に合わせて?新島旧邸の見学も開催されていました↓
さいごに
京都モダン建築祭公式サイトで倉方俊輔氏が「こういった建物が今も大学の雰囲気を形作っています。」と解説されていました。
まったくその通りだと思いました。
行政機関、教育機関はほとんど手が入らず創建当時の姿を残している建物が多いですね。
施設情報
<施設情報>
京都府立医科大学 本部棟(旧附属図書館)
住所:京都市上京区河原町広小路上る梶井町465
アクセス:京阪「出町柳駅」徒歩13分