京都モダン建築祭2023でレトロ建築を見学してきました。
三条エリアの旧日本銀行京都支店(京都文化博物館別館)、家邊徳時計店(マーコート三条)、京都郵便電信局(中京郵便局)、旧大阪新聞社京都支局(1928ビル)、文椿ビルデング、旧不動貯金銀行京都支店(SACRAビル)、書林其中堂などを回り、最後に京都市役所本庁舎へ。
武田五一建築をそのまま生かし、最新技術を使ったエレベーターや匠の技を集約した時計、京都の四季を表現したステンドグラスなど京都らしい雅な庁舎でした。
建物情報&MAP
名称 | 京都市役所本庁舎 |
竣工 | 第一期:1927(昭和2)年/第二期:1931(昭和6)年 改修年|2021(令和3)年 |
設計 | 顧問:武田五一、設計:中野進一(京都市営繕課) 改修時:日建設計 |
見学 | 一般開放(一部見学不可) |
その他 | 京都市歴史的風致形成建造物 |
手狭となったそれまでの木造庁舎に代わり、京都市政の中心として鉄筋コンクリート造りの庁舎が建設された。 塔屋のある中央に最も目がいくようにし、次いで突き出した両端といったかたちで左右対称を基本とした全体型は、第二次世界大戦前の庁舎の定石に従っているが、内外に日本やアジアの要素を自在に織り込んだ意匠は独特である。塔屋の上部に付属した小塔は毛筆の形をかたどり、インド建築にみられる正方形の凹凸を加え、下のバルコニーを支えているのは舟肘木の変形である。イスラム建築の葱花形アーチを用いたり、天井飾りに蓮華紋や菊花紋を応用したりと、インテリアも創意に富んでいる。庁舎の建設にあたって、京都市建築課は京都帝国大学建築学科教授の武田五一を顧問に迎え、1924(大正13)年に同学科第2期生として卒業したばかりの中野進一を新規に雇用してデザインを担当させた。
アジアを横断する意匠を自由関連に試みた庁舎には、デザインの可能性を探求する気質を京都に育んだ武田五一の学風が流れている。
「モダン建築の京都100」より
アクセスは?
地下鉄東西線「京都市役所前駅」から地下直通です。
画面に入りきらないほど大きい! 京都来る前に見学した名古屋市役所より延床面積が約6倍、ちなみに人口は0.6倍。
京都市では市役所改修工事が財政危機の原因だと言われているとか。
確かに名古屋市役所ボロボロだけど、観光都市「京都」と比べるのもねぇ。
竣工は第一期1927(昭和2)年、第二期1931(昭和6)年、設計は武田五一氏。
左右対称の権威あるデザイン。
塔屋の上部に付属した小塔は毛筆を象っているそうです。
京都のロゴ文字って独特ですよね、名前とかあるのかしら。
エントランスホール
玄関口を入って正面のステンドグラス、京都の四季折々の行事や風物を表現したこちらはステンドグラス作家「佐々木真弓氏」からの寄付だそうです。
左右に広がる階段にあり人目を惹きますね。
1階回廊、どんぐりの形のようなイスラム風アーチ。
大理石を使った階段手すり。
市会議場
竣工当時を復元した「市会議場」
白いアーチに明るいグリーンの壁紙、天井のステンドグラスで厳格な中にも華やなさを感じられます。
ステンドグラス周りの天井の装飾もすてき。
天井のステンドグラスが京セラを思わせますね。
こちらの照明は創建当時のものだそうですよ。
正庁の間
来賓をおもてなしする「正庁の間」、1927年(昭和2年)の創建当時の姿を復元した式典会場は工事費1億1600万。
床、壁紙なども新しく雅なしつらえなのでそのくらいかかるのでしょう。
和室
ツアーで回ったので特別に和室も見せていただけました。
工事費約3,600万円、来賓の控室としても活用されているそうです。
京都市民からは無駄遣いの声もあるみたいですが、京都ですから格式高くないとですね。
モニュメント時計
本庁舎1階にある「モニュメント時計」。
京都の伝統産業・匠の技を駆使して、四季折々の行事や風物を表現しているそうです。
こちらは「国際ソロプチミスト京都-みやこ氏」より寄付されたそうです。
12エリアそれぞれに匠の技が共演しており、繊細なアートで見応えありますよ。
漆塗りエレベーター扉
「漆」を金属に装飾する新技術で作られたエレベーターの扉、工事費500万。
これも京都らしくてすてきでした。
さいごに
屋上にも出られるそうですが、この日は日曜日で屋上は閉鎖。 次回は平日に訪問したいと思います。
*2023年11月撮影
※ 記事の情報は公開日月時点のものです。
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施設情報
<施設情報>
京都市役所
住所:京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488
アクセス: